定期借家契約

琉球学院 

2015年03月23日 17:14

普通借家契約との違いは?!

一番の違いは、なんといっても「一定の期間で契約が必ず終了する」ことです。
普通借家契約でも「2年」等の期間を設けて契約をするのが一般的ですが、たとえ2年後に契約が満了し、またその契約の更新手続きを行なわなかったとしても、普通借家契約の場合は法律により強制的に契約が更新されてしまいます。(これを法定更新といいます)

これに対して定期借家契約の場合、2年で契約したなら2年後には確実に契約が終了します。
貸す側はきちんと期間を区切ることで契約をコントロールできるのです。


普通借家契約では賃貸借契約を締結すると貸主は正当な理由がない限り中途解約や契約終了後、
借主が住み続ける事を拒絶することが出来ず、借主は契約を自由に更新することが可能となります。 【法定更新 】
貸主(オーナー)が更新を拒絶するには「正当事由」が必要です。

例えば・・・
老朽化したアパートを所有していて貸しているが収益のめどが立たないのでハイグレードマンションに建て替えたいと思っていても普通借家契約でそのアパートを賃貸していたら住人を出すには正当な理由が必要となります。その際、建て替えだけでは100%の正当な理由に当たらないためそれで立退料を出し正当理由を補完する必要性が出てきます。また東京に転勤する間の3年間だけ自分のマンションの一部屋を貸したいと思い普通借家で契約し貸せても3 年後自分が帰って来た時に自分が住むので契約終了後出て行ってくれと言っても正当な理由がない限り更新されてしまうのです。自己所有目的での賃貸借契約の解除はそれだけでは正当な理由に該当しないためそれを補完するため引越し費用などの立退料を支払い正当な理由を補わなければいけないということです。つまりは正当理由を100 %にするためお金で正当理由を補うということです。

まとめると
普通借家契約では、たとえ貸主が「更新を拒絶したい」と思っていても、上記の「法定更新」によって契約が自動的に更新されてしまうのでこの法定更新を拒むためには、貸主(オーナー)は更新を拒むに値するだけの「正当事由」を提示しなければなりません。

この「正当事由」というのが非常に厄介で、たとえば「貸主が自分で利用するから」という理由だけで認めてもらえるものではありません。
建物の必要性やこれまでの経緯、建物の利用状況、立退き料等を総合的に判断し、そうしてようやく認められるのが「正当事由」であり、正当性が認められなければ、たとえ立退き料を払うと言ったとしても更新の拒絶は認められないのです。

その点、「再契約しない」ことで契約を終了できる定期借家契約であれば「契約期間の終了」ということ以上の正当事由は必要ありません。
定期借家契約は、こうした賃貸のトラブルに対して普通借家契約よりも論理的に対処できる契約形態と言えるでしょう。


定期借家契約が満了したら、必ず出て行かなければならない?そうではなく双方の希望が一致するなら再契約することも可能になります。だから定期借家契約の中に借主の家賃滞納等の債務不履行がない限りは再契約するといった条項をもりこんでおくのもいいでしょう。不動産屋さんがアパートの仲介をしていても更新料としてではなく再契約料として手数料を取ることが可能となります。
当たり前の話ですが、お互いが住みたい・住んでほしいと願っているなら再契約をしましょう。

定期借家契約だと入居者は不安がるのでは?
それなら、再契約を前提とした契約を結びましょう。
賃貸経営における一番のリスクは「空室」であり、きちんと家賃を払ってくれて長く住んでもらえるならそれに越したことはありません。むしろそんな借主には、貸主の方から再契約を求めたいところでしょう。

定期借家契約を結ぶ際に必要となるものは?
定期借家契約であることを説明する書面と、その旨の明記された契約書が必要です。
まず必要となるのが、その契約が定期借家契約であることを「事前に説明すること」です。

これは口頭ではなく「書面の交付による説明」が必要となります。
また、あくまで「事前」説明ですので、契約締結前に必ず済ませておかなければなりません。
契約そのものが口頭でも成立してしまう普通借家契約と違って、絶対に必要です。

定期借家契約の契約書は、文言上では「公正証書等の書面による」契約書を作成するとされています。そのため、定期借家契約は公正証書でなければいけないと勘違いされている方もいますが、定期借家契約であることがきちんと明記されていれば、公正証書である必要はなく、書面であればいいのです

定期借家契約を結ぶと、借主は期間が満了するまで解約できない?
一定の面積以下の住居契約であれば、1ヵ月前通知で解約できます。
まあ療養、転勤、親族の介護といった、やむえない事情が必要です。

●定期建物賃貸借の具体例
・海外赴任している3年間だけ自宅を賃貸に回す。
・半年後の建て替えが決まっている物件で、それでも募集を
・入居審査を兼ねて2週間だけの短期契約を行なう。
・マンスリーマンション

今後不動産の賃貸では定期建物賃貸借がメインとなってくるかも!!
琉球学院は資格だけでなく実務的な部分の話も重点を置いて授業カリキュラムを組み、実践的な人材を育成していきます。